「お父さん、あの教えは本当に正しいと思っていましたか」-。盛岡市箱清水の中小企業診断士、宮健さん(92)の胸中には、教師だった父に聞くことができなかった問いがくすぶる。太平洋戦争終結の約5カ月前、小学校の卒業式で父が書いた答辞を読み上げた。「鬼畜米英撃滅」「皇恩に応え奉(まつ)らん」の勇ましい言葉。国のため命をささげることが正しいと信じ切っていた軍国少年の「正義」…