戦争は心を壊し、人生を変えた。久慈市中町の斉藤桂子さん(82)は、太平洋戦争末期に特攻隊に志願した夫の故茂夫さんがつづった手帳を大切に保管している。国のため命をなげうつ覚悟を決めた15歳の少年は、敗戦によりよすがを失った。戦後は映画の世界に身を置き、反戦を訴え続けた。80年たっても争いの絶えない世界に、桂子さんは夫の思いと重ね合わせ「今は当時と紙一重だ」と唇をかむ…